じゃないけど

乱れた日本語撲滅第2弾ということで。今回のは、若者だけでなく年配の方も結構使ってますが、身近でしばしば聞こえてきて非常に気になるので。

「今度そのようなことが再度起きた場合は、契約破棄じゃないが、そうなる可能性も視野に入れたいと思う」

ビジネスの場でも比較的よく聞く言い回しだと思いますが、変ですよねこれ。契約破棄じゃないがと言っておきながら、場合によっては契約破棄も考えるということです。つまり、一度「じゃない」と否定しておきながら、実際には否定ではないどころか、それをそのまま肯定する結論になっているのです。「今度そのようなことが再度起きた場合は、契約破棄の可能性もある」とはっきりいえばいいじゃないか?

「そうですね、もしうまく転職ができたら、社会に貢献するじゃないですけど、そういった仕事ができればより良いと考えています」

いやいや貢献したいのか? したくないのか? したいならしたいと言ったら良いじゃないか? なんでわざわざ否定した?

「子供たちが見て憧れるような、夢のある舞台が作れたらいいよね、ファンタジーじゃないけど

じゃないのかよ! じゃないなら何で最後に一言添えた? わかりにくくなるだけで要らないでしょその情報。いや違うな、これはどうやらファンタジーらしきものをイメージしてるらしいぞ。

「またいずれ皆が東京で揃った際には、親睦会じゃないですけど、集まって飲みながらわいわい話ができたらと思います。」

いやだからそれは親睦会じゃないのか? 親睦会でしょ? ではなぜ親睦会やりましょうとスパッと言わない? 外国人が聞いたら混乱するでしょう。だって先にnotと言っておきながら結局やろうとしてるんだから。

 

つまりこれも前回の「大丈夫」と同じく、過度の婉曲表現なんですね。まずストレートなことばを最初に言っておいて、それを一度は否定しておく。否定しておくんだけど、それに近いものやあるいはそれそのものがやはり正しいんだと言い直すことで、なんとなくのニュアンスを伝えようとしているわけです。

気持ちはわからんでもないがやっぱり回りくどいよ。じゃないけど何だ?と言いたくなる。伝えたいことは分かりやすくストレートに伝えようじゃないか。だって、「君のことは好きじゃないけど、まあそんな感じなんだ」なんて告白する人がいたら何やねんこいつって思うでしょう? 「じゃないけど」をみんなで撲滅しよう。