夢奇房第11回公演「ルーフボーイ」感想

どういうわけか「夢奇房」でググると5番目くらいに出てくる当ブログ。「夢奇房 感想」とかになると2番目くらいだ。ということで(どういうことだ)今年も、雨の中行ってきましたよー!

客が増えてるせいか、ホールの収容能力が変わったせいか、今年から優先入場券なるものが導入されたとか。ファストパスみたいなもんかなと思いきや、申し込んだらなぜか早めに来なくてはならないという罠。んー、何かおかしくないか。結局並ばなきゃいけないわけでしょう。元々知らなかったので申し込みはしてませんでしたが、行ってみてなんとなく意味は分かった。前の方の席はホール据え付けの椅子ではなく、置いた椅子だったので、あれが多分、非プレミアム席なのでしょう。やっぱ後ろのほうが見やすいし座り心地いいだろうな(前の椅子も全然悪くはなかったですよ)。神楽坂から行ったので時間は開演ギリギリだったけど、非プレミアム席はわりと空いてました。といっても見やすいところは概ね埋まってましたが。

で、非プレミアムの椅子に座ったら例年通り前で2人くらいが前説をやってました。いつものクラウンの女の子はいなかったようだ。

さて今年は「ルーフボーイ」という屋根の上に住む少年の物語でした。タイトル、ちょっといつもらしからぬ感じで良いね。

全体の話は後回しにして、個別の演技の感想を書いていきます。忘れないうちに。

  • シガレット(スパンキー):上手だわー。上手なんだけど、一緒にいる市長の雰囲気と存在感がありすぎて、ちょっと負けてる感(どうしろと)。あとやっぱ2人が舞台にいると、どっちに注目していいか分からん場面が多々。ピンの位置も不親切だし。それが却って良いミスディレになってたとこもあったのかもしれんが。
  • シガーボックス(ジム):何か唐突に始まった演技。ジャグリングのことはよく分かりませんが、今まで見たシガーボックスの中でもかなり凄いほうだと思う。最後のタテ3つ回転片手キャッチが凄い。あと、指の上でスピンさせてたやつ、めっちゃ難しいんちゃうのあれ? 曲もノれる感じで良い。
  • ゴミ箱(ニバキンス):サイレント・コント。すっごいウケてた。「どうすれば手を汚さずゴミを捨てられるか?」と客にもちょっと頭使わせる感じのストーリーが良いね。手品でもジャグでもないんだけど、こういうのあってもいいですね。最後のピンの絞り方がアニメの結末みたいで笑った。
  • ウォンド(フィリップ):ウォンドだからフィリップ・・まさかね。白い棒を駆使して看板を完成させていくという。曲にピッタリ合ってて素晴らしく上手なんだけど、どっちかというと看板のギミックのほうに客が沸いてた(笑)。マスクで有名な人だけど、昨年より今年のほうが個人的には好き。手品の中ではこれが一番良かったかな。
  • 酒盛り(ミック他):手品も何もない、酔っ払いたちの唄と楽器。楽しすぎる! こういう底抜けに明るいシーンって今までありそうでなかったよな。今回の公演で一番印象に残ったのはここでした。主旋律のアコーディオンは生演奏。唄のあともしばらくBGMとして弾いててそこも良い感じでした(ってこの人クラウンのOZか!?素顔の方がええやん)。一体何のショーを見に来たんだか分からなくなりそうだがここで第一部終了。
  • カード(ゼロ):ものすごく場馴れしてて肩の力の抜けた感じのミリオンカード。とても上手な人だと思うんですけど、何だかザツな印象を受けた。その印象は演じていたキャラクターのせいもあるのかもしれませんが。もろもろ見えていたし、色々と惜しい。
  • 犬パントマイムビアズリー市長):この人は本当にオーラというか雰囲気あるよなあ。でもやるのはコメディパントマイム。1つ難を言うと、舞台上の低いエリアを演技に使うのはやめてほしい。後ろならともかく、前の席からは他の人の頭で見えないのよ。というのが前の席に座って初めて分かった。テーマが犬だからしょうがないといえばしょうがないが。パントマイムの上手下手は分からないけど、純粋に面白い演技でした。
  • リング(マドゥルーサ):占い師の怪しすぎるリング。あの、これ笑っていいんですよね? まず衣裳が怪しいでしょ。冒頭の謎の占いパフォーマンスも怪しすぎて「いや絶対インチキやろ!」って突っ込みたくなった。その後も大中小のリングで怪しい動きを連発、ほんま吹き出しそうになった。ギャグとして狙ってるんだとしたらかなりレベル高い。あ、でもこの人も舞台の低い位置で何かやるのはちょっとやめてほしい。
  • 時計(フィールズ):うーん、扱う時計があまりにも薄っぺらくて、不思議さがあまりない。曲に合わせてたけどテンポも良いとはいえず、ちょっと乗り切れない感じ。あと、BGMの音量のが低めで、仕掛けの音(カチッ!とか)が結構聞こえるのは前の方の席だったせいか。終盤はうまくまとめてたけど、この人ならもっとできたよなあ。勝手に期待値上げてすみません。
  • ボールジャグ(少年):これ、必要・・・? 上手いからいいけど、ストーリー上のつながりもなく、無理やりねじ込んだ感が強い。少年は少年を演じるだけで十分仕事果たしたと思います。

では演出などの感想。

  • 脚本:とっっっっっても良かった。居場所を求めてさまよう少年少女を中心に据えた単純明快な脚本。裏の意味とか駆け引きとか謎解きも特にないんだけど、安心して見られました。演出が演技の邪魔をしていない(ここ2年はちょっと邪魔をしていた感があった)。
  • 演出:今回に限らないんですが、2人の会話の時にも一方がずっとしゃべっていて、相手が相槌だけ、みたいな場面が多くて不自然さを感じた。モノローグばっかり続けてどうすんのって。まともに台詞を喋れる人だけに長時間喋らせるという方針は理解できるんだけど、サイレントの演技じゃ物を伝えるのには限度があるんだよな。あれ、この人喋れるんなら初めから喋らせとけよ!とか何度か思ったのです。
  • 幕間:どこだったか忘れたが、ニバキンス(だっけ)がスポットを追いかける奴が面白かった。スポットを反対側に吹っ飛ばす演出に、ももクロのライブかよ!って心のなかで突っ込みました。
  • 裏方:カーテン付きの扉を運んできた奴はアイツだと思うんですけど、置いた後ずっと裏に隠れてたよね? それも3回くらいやってたよね。1回目は場面転換時に地味にアピールしてたけど、2回目以降はそれもなし。こういった、注目してないと分からない謎の小ネタが実はあちこちに散りばめられてるのか?とか思った。
  • 少年少女とヒューゴ:3人とも夢奇房初出演だそうですが、完全にこの3人のための舞台になってましたね。ほんと良かったです。少年役は、こんな適役がよく見つかったなというルックスでした。ほんとに屋根の上に住んでそうだし。やっぱ男は男が演じるほうがいいね。少女役は、素人と思えないくらい演技力高かったですね。そして個人的にはヒューゴがMVP。主役ではないけど、この人のパワーで最初から最後まで引っ張った感じ。演劇経験者はやっぱ違うなあ。
  • エンディング:市長が街を去ってからはもっとスパッと終わらせたほうが良かったと思ったんですが、ストーリーでもカーテンコールでも主役2人だけが最後残ったのは、全員が残るよりも何かいいなあと思った。

ということで、演技自体は例年に比べると飛び抜けたものはなかったんですけど、演出が良いおかげで全体的に締まっていて、公演全体としてはここ3年くらいでは最高の出来だったのではないかと思います。時間もまあ、1時間50分と長いんだけど、昨年や一昨年ほど長くは感じなかったのは演出のおかげじゃないでしょうか。

ということで良い公演をありがとうございました。また来年!