氷上の闘いの果て

浅田真央の長い長い闘いが終わったようです。

しんどかっただろうな。日本人はこの23歳の女の子にどれほどの重いものを背負わせ続けてきたのだろう。自分も途中までは何も考えずに応援していたのだけど、昨年あたりからはもうやめさせてやってくれ、としか思えなくなってしまった。お母さんが亡くなり、かつての明るく無邪気な笑顔が消え、悲壮感のにじみ出るヒロインになってしまったように思うのは自分だけではないはずだ。

バンクーバーキム・ヨナが金メダルをとってからの4年間、真央ちゃんもキムヨナも両国のくだらないナショナリズムを背負わされ、代理戦争の象徴のような形に祭り上げられてしまった。キム・ヨナの点数がおかしいと騒ぎ立てることが真央ちゃんとっても要らぬ雑念の原因になることにどうして気づかないのだろう? 韓国憎しでキム・ヨナを猛烈に叩き続けることがどれほどみっともないことで、真央ちゃんも不幸にすることだといつになったら気づくのだろう。そして今回の大会が終わってもまだヨナを叩き続ける日本人がいることを、同じ日本人として恥ずかしく思う。

真央ちゃんの最後の滑りは本当に素晴らしかったです。あれほどの感動はちょっとここ最近味わったことがない。その後のインタビューでのちょっと複雑そうとはいえ明るい笑顔を見て、何だか救われた気持ちになった。彼女の長い長いスケート人生は、そう、この笑顔のためのものだったんじゃないか。

そしてキム・ヨナ。この人にのしかかる国全体からのプレッシャーは日本以上の凄まじいものだったはず。それでいてあの完璧な美しい滑りを見せてしまうんだから圧巻としかいいようがない。結果銀メダルだったが、金に匹敵する演技だったと思う。

ふたりとも、もう国を背負って闘わなくていいことに安堵しているのではなかろうか。本当にお疲れ様でした。