モジャ公の魅力

さて、何度も言うようですが、藤子・F・不二雄の最高傑作は「モジャ公」です。
とは言え、ドラえもんオバQのように、万人受けする作品ではありません。日常生活ギャグで知られている作者としてはかなり異色の部類に入る作品です。全ての人にオススメできるかというとそうでもないです。しかし、キャラクター、ストーリー、SF性、ギャグ、絵、どれをとっても絶品であることは間違いありません。
メインキャラクターは3人。ケンカ好きで無鉄砲な劣等生、空夫。気が強くて見栄っ張りで女好きのモジャ公。自己中な出来損ないロボットのドンモ。はっきり言って、3人ともクズです。のび太も落ちこぼれだけど、人や動物に優しいとか良いとこが結構ありますよね。でもこいつらはみんな自分が一番で、しかも思いやりなんてものはなくお互い薄情で、さらにお金が大好き。とても藤子マンガの主人公とは思えんよ。でもこれが何とも現実的でいいんですわ。醜いぶん、人間味があるというか。読んでるうちにこの3人にものすごく愛着が沸いてくるのです。言うまでもなく、21エモンとモンガーとゴンスケが元になってるんですけど、その3人よりもキャラが濃くて魅力がある。
ストーリーも・・・まあ、ネタバレになるのであんまり書きませんが。ドタバタギャグかと思いきや、しっかりした設定や、やけに科学的な仕掛けがあったりして侮れない。本当に1970年の漫画とは思えないんですよ。スターウォーズとか、ジュラシックパークとか、マトリックス、バイオハザード的な要素もあり、サスペンス、不条理ネタ、カルト宗教・・・などなど。全体的に明るい雰囲気なんだけど、どことなく死と終末を感じさせるものが作品全体に漂っているのです。そして何より、グロい。SF短編以上のグロ表現が散見されます。子供雑誌にはハードすぎる。
一部紹介。モジャ公はこんな漫画です。
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このあとの「ざんこく・・」「これはギャグまんがじゃなかったか?」という掛け合いが笑える。
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とある星の自殺ショーで、3人は強引に自殺させられてしまうことに。モジャ公の輪切り断面がリアル過ぎる。
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天国のような星を楽しんで、撮ったビデオテープを再生してみたら・・・
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冗談抜きで刺し殺してます。後で何のフォローもなし。
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1コマで「大はやり」とか。何人殺せば気が済むんだ。

F先生は週刊ぼくらマガジン(掲載誌)を一体何だと考えてたんでしょう?こんなのが、ドラえもんと同じ絵柄でバンバン出てくるので驚きます。
・・・ということで、興味を持った方はぜひ。唯一の癒し要素の幼年版もカラーで入ってます。

藤子・F・不二雄大全集 モジャ公 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)

藤子・F・不二雄大全集 モジャ公 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)