ザウルスは早すぎた

実家に帰った時、懐かしいものを見つけました。これです。
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ザウルス。シャープのPDAです。PI-3000という、'93年に発売された型番。これが出たときは、これぞ新時代の到来だと感動したもんです。当時小学生だったけど。
言うまでもなく当時は携帯電話もパソコンもまだ全然普及してなくて、一般家庭にあるものといえばワープロくらい。そんなとき、それまで電子手帳と呼ばれてたものが一気に進化してコレですよ。全面タッチパネルの斬新な巨大画面、手書きメモ、手書文字認識、光通信、辞書3冊内蔵、記憶領域は大容量288KB(当時はこれで大容量だったのよ!)。さすがに時代が時代なので、ブラウザやメーラーは入ってませんが。少し後に出た型では、携帯電話を繋いでパソ通が行えるようになったり、デジカメが付いたり、ボイスメモが付いたり。ここまでくると、スマホの走りみたいなもんです。
このザウルスは当時それなりにヒットし、ビジネスマンにこういうものを持ち歩く選択肢を与えたのですが、'99年にiモードが生まれて携帯電話でインターネットができるようになったあたりから徐々に存在意義がなくなっていき、さらにネットブックポケコンなどモバイルPCも安価になったことで役目を終え、2008年頃に生産中止になりました。しかし今、高校生から大人までがザウルスそっくりのスマホに飛びつきまくってる状況を見ると、やっぱり世間はこういうものを欲しがってたんだな、と思う。シャープの目指した方向は実はものすごく真っ当だったし、大ヒットのポテンシャルを秘めていた・・・のに、世の中を変えるほどのヒットにはならなかった。インターネットの普及、回線速度の向上はその数年後だった。始動が早すぎたせいか、市場に斬り込んでいくことができなかったわけです。つくづく惜しい。
iPhoneさわってると「これザウルスやん・・・」とか思ってしまう。ユーザやサードパーティがアプリをどんどん開発して、勝手に便利になっていく。20年前にシャープが夢見た世界が実現しているんですね。しかしその輪の中心にいるのはシャープじゃないというのが、何とも哀しい。じゃあAQUOSフォン買えよって言われそうですけど。いや、AQUOSフォンからはあの頃のシャープが持ってたザウルス魂を感じないんよ・・・。