製造業の大混乱

原発の影響で、牛乳とほうれん草の放射線量が基準を越え、農業界での風評被害とか将来的な損害が大々的に報道されてます。食の問題は、消費者にとって身近で重大なことなので大きく報じられるのは当然のことですが、日本経済に打撃を与えるという意味では、製造業の混乱のほうが圧倒的に大きいのです。
東北から北関東にかけては、大手の部品工場がひしめいており、そこが稼動しなくなると部品を供給している他の工場にまで影響が出ます。こないだ、米GMまでが今回の地震の影響で工場の操業を止めたと報じられましたがそれもその一部。地震の直接の被害を受けた工場はごく一部ですが、そのおかげで部品が納入できずに操業停止となった工場は、日本中どころか世界中にあるのです。うちの会社も某県某所の某半導体メーカーが壊滅的な被害を受けたおかげで、製品を設計段階からやり直さないといけないような大変な事態が起こってたりします。
それに加えて痛手なのが計画停電。製造業にとって、日中の3時間電気を止められるというのは生産管理的にものすごく痛くて、納品が単に3時間遅れるとかそんなもんじゃ済まない巨大な影響が出ます。単純に機械の立ち下げと立ち上げに1時間ずつかかれば計5時間ロスしますし、食品などはライン途中で製品を停滞させておけないので、停電前後ではライン内を空っぽにしておく必要があり、そうなればラインが長ければ長いほどタイムロスが発生します。さらに、後工程がストップすることで前工程も3時間停めなきゃいけないこともあったり、書いてればキリがないですが、とにかく生産計画の狂いは尋常じゃないものがあります。この計画停電が1ヶ月続くとGDPは1兆減少するという試算もあり、これがいつまで続くのやら。今冬までは確定で、数年単位で続くという話も・・・。日本経済はどうなっちゃうんでしょう。
原発事故の責任は言うまでもなく東電にありますが、計画停電の件まで東電を責めるわけにはいきません。これまで原発の恩恵を受けて、我々はものを作ってたわけですから。業界・企業の枠を超えて協力していかないと乗り越えられないでしょう。「がんばろう日本」の掛け声はは被災地だけではなく、我々製造業の人間こそが声高に上げなきゃいけないものかもしれません。